納得のいく形をとるために測り棒の存在は欠かせません、たった一本の真っ直ぐな棒がデッサンの力をつける手助けをしてくれます
測り棒(はかりぼう)
角度を正しく見る
絵を描いてゆく中で、モチーフの角度を正しく見る必要性が出てきます
正しく見ようとしても、また正しく見ているつもりでも
錯覚や思い込みなどにより、正しく見ることは実際にはなかなか難しいものなのです
そこで角度を正しく見るための補助道具として古くからあるのがこの測り棒です
真っ直ぐな棒
真っ直ぐな棒であれば測り棒として使うことができます
写真は自転車のスポークを利用したものです
スポークは:
真っ直ぐで、しなりはするけども曲がりにくいという点で絵画用の測り棒として好適です
画材店でも購入できます
使う前の工夫と練習
測り棒を使いこなすために一番大切なのは、
安定した持ち方ができるようになることです
自分の持ちやすい持ち方でかまいませんが、
測り棒がふらつかずに安定した状態をキープできるように、
押さえる指の位置や、力の入れ具合などを工夫しましょう
使い方・その1
例1
写真1では石膏像の顔・前面の傾きを測りたいのですが、この場合
- 図のように測り棒を直に測りたい顔の角度にあてます
- そして垂直線(空色のライン)をイメージして、測り棒の傾斜角を見ます
例2
写真2では下顎(あご)の角度を測りたいのですが
- 同様に測り棒を顎の角度に合わせます
- 水平線をイメージして、その間にできる角度を見ます
このようにして測った角度と画面を見比べ、修正していきます
使い方・その2
例3
例1と同様に顔・前面の角度を測りたいのですが、ここでは直接顔の角度に測り棒をあてることをしないで、
(少し見にくいですが)顔の前に測り棒を立ててあります
- 測り棒で垂直を作ります
- モチーフとの間にできる角度を見ます
例4
写真4も同様の使い方です
下顎の角度を測りたいのですが、やはり測り棒は傾けずに水平に保持します
- 測り棒で水平を作ります
- モチーフ(下顎のライン)との間にできる角度を見ます
重要なこと
使い方の1も2も
一見すると同じようなことをやっているように思えるかもしれませんが、
実は大きく違います
1の使い方は
測り棒をモチーフの角度に合わせて傾けることで、
視覚だけではなく測り棒を通してその傾きを実感する方法
「あぁ、僅かに左が上がっているのか…」というような感想を抱くことが大切です
2の使い方は
垂直・水平のラインを測り棒を使って具体的にすることで
目の前にある角度を視覚的に受け取りやすくします
「思っていた以上に狭い角度なんだな…」などと感じることが大切です
両方の使い方を並行して使用していくのがよいでしょう