ワイヤーで木炭の芯を掻き出す

木炭の芯を抜こう

木炭の芯の判別
抜き方の手順と注意点

木炭の芯、 ある/なし の見分け方

木炭は、炭にする木の種類によって、中央部に芯の「ある」ものと、「ない」ものとに分かれます。

芯のない木炭

芯のない木炭、ホオ、ハンノキ、ミズキ、ウコギ
芯のない木炭とその断面

上の写真の木炭は、左から順に

  • ホオ炭
  • ハンノキ炭
  • ミズキ炭
  • ウコギ炭

これらは芯のない木炭です。
それぞれの断面を見ても、芯は見当たりません。

画像でご紹介した四種の木炭の他にも芯のない木炭はありますが、断面を見て判断してもらえれば大丈夫です。

芯のある木炭

木炭、ヤナギ、桑

それでは次に、芯のある木炭のご紹介です

写真左から順に

  • ヤナギ炭
  • クワ炭
  • クワ炭(太軸)

しかしこの角度からだと、芯のある/なしがよくわかりません

木炭の芯のある/なし、を判別するときには断面を見るようにします すると…

木炭の芯、クワ炭、ヤナギ炭
クワ炭、ヤナギ炭の断面

断面の中央に、それぞれの芯が見て取れます

芯を抜くのはなぜでしょう?

それは芯の部分が描画に適していないからです

木炭の芯を抜かずにそのまま描いた場合、芯の部分の粉は、木炭紙への喰い付きがわるく、すぐに木炭紙から落ちてしまいます
指やガーゼを使ってトーン作りをしようとしても、うまくいきません

木炭の芯は描画に使う部分ではないのです
描き始める前の準備段階で、抜くようにしましょう

実際に芯を抜いてみます

芯抜きの道具

木炭の芯抜き道具
木炭の芯抜き道具

木炭の芯抜きの道具です。画材店での価格は¥100~¥200位です

木炭の芯抜き道具、先端
木炭の芯抜き道具、先端部分

本体は細いワイヤーが縒(よ)ってあるもので、これによって木炭の芯を描きだすことができるのです
また、片端にはブラシが付いているものが一般的です

全長は20cm程

煙突掃除の道具を小さくしたものをイメージしていただければいいと思います

使い方

注意
作業中には、かなりの量の木炭(芯)の粉が出ます
作業は、屋外かもしくはゴミ箱の上などでおこなうようにしてください

木炭に木炭の芯抜きを差し入れる
木炭に木炭の芯抜きを差し入れる

まず木炭の芯の部分に、芯抜きの先端部を差し込みます(ブラシの方ではありません)
芯の部分には抵抗なくスッと入っていくはずです

そのまま、芯抜きを軽く前後に動かしながら、徐々にワイヤーを奥まで通していきます。

トラブル発生??

このとき、木炭の途中で、ワイヤーが進まなくなることがあります、そんなときは…

「無理に力を加えずに、木炭から芯抜きを引き抜いて、今度は反対側から差込み、貫通させるようにしましょう
無理な力を加え続けると、木炭が割れてしまいます」

また、ワイヤーが少し折れ曲がっているだけでも、木炭の中をスムーズに通ることができず、途中で身動きが取れなくなることが多いのです

折れ曲がりに気が付いたら、作業に入る前に指で真っ直ぐに直しておくようにします

ワイヤーが反対側まで通りました

木炭の芯抜きが貫通した状態
芯抜きが木炭を貫通した状態です

芯抜きのワイヤーが、無事に反対側まで貫通しました。

芯抜きで木炭の芯を掻き出す

ワイヤーで木炭の芯を掻き出す
ワイヤーで木炭の芯を掻き出す

芯抜きが木炭を貫通したら、次は、そのまま芯抜きを前後に動かして、沢山の芯を掻き出すようにします。

木炭は自然の枝なので緩やかなカーブを描いていると思います、たまに木炭を回転させて木炭の内側にワイヤーが満遍なく当たるようにするといいでしょう

仕上げ

「もういいな」というところまできたら、ワイヤーを引き抜きます。

しかしまだ内部には結構な量の粉が残っています

木炭の片側に軽く口をつけ「フッ」と強く息を吹き込みます

びっくりするくらいの粉が飛び出してくると思います。(ゴミ箱の中などに向けておこないましょう)

完了です!

芯を取り除いた木炭の断面
芯を取り除いた木炭の断面

木炭の芯抜き作業が完了しました