木炭デッサンについてのTips
木炭

木炭デッサンについて

木炭(fusain)はとてもシンプルな描画用具
だからこそ入り込める世界があります

木炭の特徴と長所

最もシンプル

美術表現、絵を描くための道具(画材)には多くの種類があります。
油彩、水彩、色鉛筆、パステル、鉛筆、木炭…など

木炭はその中で最もシンプルな画材と言えます
なにしろ木の枝を炭にしただけの画材なのですから

もちろん、ただ炭にすればよいというわけではなく、専門の高度な炭焼きの技術によって、描画に適した「画用木炭」が生まれます

鉛筆との違い

小さい頃から使い慣れている鉛筆もシンプルな道具のようです。そう、絵具などの有色画材と比べるととてもシンプルに思えます。
水彩で絵を描くときなど、先ず鉛筆で下描きしてから、絵具を塗る…と習いますから。

馴染みのある画材の鉛筆は、HやHB、Bなどの決まった硬さを出すためにグラファイト(黒鉛)を粘土と練り合わせ、その周囲を木で加工して作られます。

シャープペンシルやボールペンはプラスチックや金属のパーツでできているので、鉛筆はそれと比べるととても自然な風合いですが、実は結構手の込んだ加工品なのです。

木炭は小学校の授業でも使いませんし、その後も機会がない人はずっと触ることがありません。
教室に入会される生徒さんの中でも今までに触ったことがあるという人は2~3割ほどです。

集中しやすい

カズヒコ カケガワ 木炭デッサン作品
ロッビア石膏像/木炭デッサン

シンプルな画材は、描く際に意識を画面に集中しやすい
木炭を手に画面に向かう時、そこでは余計なことを考えずに

「描く」とは何か、「見る」こととはどういうことなのか

という美術の最も大切な問題に近付きやすい、つまりデッサンに集中しやすいのです。
これはとても大きなメリットです

鉛筆も優れた画材ですが、様々なメリットを考え合わせた場合、教室ではやはり木炭をお奨めしています。
油彩と交互に勉強していく画材としても大変に適しています。

一体感の得られる画材

触感も使います

そして、木炭は触感も使って描きます。これも大きなポイントです。

触感を使って描くとはどういうことかというと、
こする、はたく、すり込む、…といったようなことです。

木炭デッサンでは、階調(段階的な明るさ)を表現するために、いったん描いた後に指や手、ガーゼなどを使ってその明るさとニュアンスを微調整していくことがとても大切です。

木炭だけではなく、手指も同じくらいに使って描いていく

触感の加わる表現というのは木炭デッサンのもつ非常に大きな特長、
一体感の得られる画材です。