油彩画のペインティングオイルについて解説しています
油彩画のペインティングオイルについて解説しています

乾性油の種類と特性

ペインティングオイルとは何か

4種類の画溶液を混合したもの

調合済みのペインティングオイルから卒業した人は、次に乾性油の使用にチャレンジしていきましょう。
それほど難しいことはありません(奥は深いですが…)、 乾性油は、ペインティングオイルの主成分です。

つまり、市販のペインティングオイルとは

  • 乾性油
  • テレピン(またはぺトロール)
  • 樹脂
  • 乾燥剤

大抵はこの4種類の画溶液を、メーカーの方で適宜混合して販売しているものです。
ドレッシングのようなもの、と考えてもらえばいいでしょう。

ですから、「ペインティングオイル」という同じ名前の商品でも、メーカーによってその内容はかなり異なるものです。

乾性油の種類と特性

リンシードオイル 別称:亜麻仁油(あまにゆ)、英語表記:Linceed Oil

亜麻の種子から搾出
乾燥が速く、丈夫な皮膜を作る、
黄変する傾向がある。

 小野路デッサンと絵の教室では、このオイルをお奨めしています

ポピーオイル 別称:芥子油、ケシ油。英語表記:Poppy oil、またはPoppy-seed Oil

ケシの種子から採れる油。黄変が少ないので、白や青、明るい部分の描写に適している。
堅牢性では亜麻仁油に劣り、乾燥は著しく遅い。

 通常の顔料はリンシードオイルで練り、明るい色の顔料はポピーオイルで練る。と区別して使用しているメーカーもあります。

ウォールナッツオイル 別称:胡桃油、クルミ油、くるみ油、英語表記:Walnut Oil

胡桃から採る油。
かつてはリンシード油と並んで、油彩技法のための重要な媒材だった。
リンシードオイルより黄変が少なく、白や青、明るい部分に使用される。
少し乾燥性と強度の増したポピーオイルに近い。

サフラワーオイル 別称:紅花油、英語表記:Safflower Oil

性質はポピーオイルと似ている。
黄変は少ないが、乾燥が遅く、耐久性も亜麻仁油に劣る。
市販の油絵具では、白などの明色を練るのによく使われる(以前はポピーオイルが使われていたものだが、最近急速にサフラワーオイルに代わりつつある)。
現在のところ画材用としては一般に販売されない

サンフラワーオイル 向日葵油、ヒマワリ油、英名:Sunflower Oil

向日葵の種から採るオイル、
ロシア絵画に広く使用された。性質はポピーオイルに似ている。
日本の画材店ではまず置いていない

自分に合った乾性油との出会い

どの乾性油も、それぞれに使い心地が異なります。自分に合った乾性油を見つけるには、実際に使ってみるしかありません。
入手しにくいものもありますが、意識して気をつけていれば何とかなるものです。

乾性油は油彩画の、油彩たる所以の部分ですから、どんなものを使うかは重要です。
各自が、自分に合った乾性油に出会うことが大切です。