技法的な側面から
絵画材料と絵画技法の一つの到達点
絵画で表現をしよう、と考えたときに
油絵具は最も可能性と多様性に富み、様々な表現をすることが可能な技法と材料といえます。
たとえば絵画表現には、次に挙げるようないくつかの要素がありますが ↓
- 明度(物の明るさや暗さ、そのデリケートな階調)
- 色彩、彩度(色相の幅、色彩の鮮やかさ)
- 質感表現 (艶、艶なし、透明、不透明、ザラつき、滑らかさ、など)
- 量感の表現
油絵具は、これらの全ての要素において、高いレベルで表現することが可能です。
また特に、質感表現と量感表現においては、他の画材の追随を許さない性能を有しています。
絵画表現の基準としての油絵具
世界中の絵具メーカーは、常に新しい画材を開発し、発表しています。
そしてそこには常に
「油絵具に比べて劣らない表現が可能か」/「油絵具に近い表現が可能か」
というハードルがあります。
このことは近年に発表された
- 「油絵のようなタッチが可能な水彩絵具」アクリル、アクリルガッシュ、リキテックス
- 「水でかける油絵具」アキーラ
などの画材のコピーを見てもわかります。
油絵具を超える画材を開発すること、がメーカーの大きなテーマだといってよいでしょう。
油絵具を凌ぐ画材は開発されない
このような開発は常に進められているわけですが、材料的な性能から見た場合、これら新画材が油絵具を凌いだことはありませんし、今後も難しいと思います。
ただ、近年の油彩に対しての様々な不利な状況や
「油彩は大変だから、お手軽な画材にしましょう」的風潮によって、マーケットにおける油彩画のシェアが縮小することはあると思います
しかし、油彩画が表現の基準であることは変わりませんし、 たとえ、初めて描く方人が、アクリル絵具やそのほかの画材でスタートしたとしても、その後、絵に対する興味がさらに増し、より本格的に描いてみたくなったときには必ず、「油彩画を描いてみたい」と思うことでしょう。
そうした点からも、油彩技法は絵画表現の到達点、といってよいと思います。
他の画材は応用で使えるようになります
油彩はこのように、技法・材料面に於いて大変に幅広い要素を含んでいるため、油彩を習得することは、意識しないうちにその他の画材についても、その根幹となる部分を理解すること、になります。
それぞれの技法のもつ特殊なテクニックと知識の習得は別ですが、
油彩をきちんと身につけていれば、クレパスやパステル、コンテ、テンペラ、アクリル、ガッシュ等は、全てその応用で使うことができます
ちょっと大変そう? でも、大丈夫です
やっぱりなんだか大変そう… ちょっと敷居が高そう、な印象ですか?
でも大丈夫です
もちろん一度に身につけようとすると大変ですが、基礎から正しく一歩一歩登っていけば
いつの間にか沢山のことが出来るようになっています。
楽しく学び、気がついた時には、ご自分でも驚くほど多くの知識と技法が身についています。
小野路デッサンと絵の教室では、そうした指導・レッスンを心がけています。
通学されている生徒さんのほとんどは、初心からのスタートでした
皆さんの作品を、どうぞご覧ください。