impasto インパスト 概要
語源
インパストは伊語の、impastare(インパスターレ)
- 「捏ねる」
- 「混ぜる」
- 「練る」
などの意味から来ています
仏語の「アンパトマン」も同じ技法を指します。
どのような技法?
筆やペインティングナイフによっておこなう、とても厚い塗りのことを指します。
油絵具に蜜蝋などの体質が加えられるようになり、油絵の具が固練りになってから登場した技法です。
インパストは伊語の、impastare(インパスターレ)
などの意味から来ています
仏語の「アンパトマン」も同じ技法を指します。
筆やペインティングナイフによっておこなう、とても厚い塗りのことを指します。
油絵具に蜜蝋などの体質が加えられるようになり、油絵の具が固練りになってから登場した技法です。
画家が自分で絵具を製作していた(手練り)時代の絵具は、今とは違ってもっと流動性が高く、軟らかい練りのものでした。
16世紀の初頭から、油絵の具は徐々に粘り気をもち始めますが、現在と同じような固さを持った絵の具が使われるようになるのは17世紀の中頃からです。
そして18世紀の後半に、絵の具メーカーが、現在のような固練りの油絵の具を、製品の規格としました。
今日では、ダイナミックな盛り上げや厚い塗り、などは、油彩の代表的な技法のように思われていますが、実際のところそれは、油絵具の性質というよりも、むしろメーカーが販売の為に規格化した、固練り絵具の特質と言うべきです。
ともあれインパストは、平面である画面上に、立体的な造形を生み出します。
インパストをおこなった部分は、その具体的な厚みが、立体感を感じさせ、また、絵具の素材感・物質感も強く感じられるようになると言えます。
筆痕や、ペインティングナイフのコテ痕を、シャープな状態で残します。(それらの立体的な造形を維持したまま、乾燥させようとします)
平面上に於ける立体造形、としての要素を多分に有しています。
インパストの見分け方は簡単です。画面を正面ではなく横から見てみましょう。
インパストされた部分は、立体的に画面から飛び出しています。
また、もっと厚いインパストの場合は、画面正面からでも見分かることが出来ます。
インパストされた部分が画面上に「影」を落とすからです。
インパストは非常に多くの作品にみられる技法ですが、大変上手く使いこなしている例として、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホとルシアン・フロイドの二人の作品を、参考作品としてご紹介します。 (ゴッホの作品はページ上部にあります)