Willem_Kalf 静物画
引用図版:Willem_Kalf Still_Life 油彩

グレーズ(グラッシ)

glaze

glaze グレーズ技法 概要

語源

グレーズは、glazeと書き

  • 陶器にかける釉のことをこう呼びます
  • 油彩においては透明な絵の具を薄く幾層にも塗り重ねて
    光沢と深みを出す技法を指します

この技法を使うことをグレージングする
またはグラッシ(仏語)をかける
などと言い表します。

 

どのような絵具を使用しますか?

使用する絵の具は透明性の高いものが適しています
「トランスパレント○○○」 という名前の絵の具や
絵の具一覧表に 「□」や「○」 など透明性の高い表記があるものがよいでしょう。

どのような溶き油を使用しますか?

通常よりも濃い目の溶き油を使います。
ペインティングオイルを使用しているのであれば瓶から出した原液に、パンドルなどの樹脂溶液を2~3割ほど混ぜてつかいます。

また、市販のチューブ入りメディウム類もいいかもしれません
これはチューブに「グレージングに適しています」といった表記がされている筈ですからすぐにわかります。
ただ、少々艶が安っぽかったりテカテカしすぎるかもしれません。

気をつけたいコツ

薄く色の付いた油を塗り伸ばすイメージで

上記の溶液に透明性の高い絵の具をごく少量混ぜます
ついつい多めに混ぜてしまいがちですがここでは色の付いた溶液を作るくらいのイメージでちょうどいいのです。

それをよく乾いた画面の上に塗り、よく伸ばします。
伸ばすときには筆だけではなく必要に応じてなども使うとよいでしょう。

目的に応じて濃い色の液を作ってグレーズすることもありますが
基本は

  • 薄い色の付いた液
  • 溶液はテレピンなどで薄めすぎない
  • 塗ったあと画面上で伸ばしていく

ということになります。

特徴

グレーズの特徴

透明性を最大限に活かした技法といえるこのグレーズはまさに油彩ならではの技法といえます。

ただしグレーズを乱用するとギラギラ・ベタベタとした品の乏しい画面になってしまいますので気をつけたいものです
その加減は実際に使ってみて経験の中から会得していきましょう。